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加古川醸し旅~歴史ある加古川の国宝鶴林寺と伝統の醸造食品で心と体を醸す旅~

豊かな自然あふれる加古川の河口に広がる加古川市。
平安から江戸時代までのさまざまな年代に建てられた建物が残る鶴林寺で歴史を感じ、この土地で昔から作り続けられている醸造食品が存分に味わえる、魅力たっぷりの「歴史ある加古川の国宝鶴林寺と伝統の醸造食品で心と体を醸す旅」をご紹介します。

JR加古川駅から鶴林寺へ

鶴林寺は、崇峻天皇2年(589年)、16歳だった聖徳太子が播磨を訪れ、仏教を広めるために釈迦三尊と四天王を祀った3間4面の精舎「刀田山四天王聖霊院」と名付けられた道場を建立したことが始まりとされています。

寺号を「鶴林寺」と名を改められたのは天永三(1112)年。

現在も室町時代に建てられた本堂や、平安時代の壁画が残されている兵庫県最古の木造建築物である太子堂など、国宝を始めとする文化財が数多く残されており、その姿を見ることができます。

こちらは応永4年(1397年)に建設された本堂。

 

本堂


本堂では、座禅体験をすることができます。

座り方から丁寧に教えていただけるので、初心者でも安心。


姿勢を正し、呼吸を整えます。

何も考えずひたすら雑念を消していくと、気持ちがリラックスしてきて、ずっと座っていられるような感覚になってきます。

 

次に向かったのは太子堂。

平安時代後期に建てられたもので、内部には当時の壁画が残されています。

現在は長年の灯明のススに覆われているため、黒くなっていて見えないのですが、赤外線で撮影することにより、美しい絵画が見ることができたそうです。

 

宝物館には、そんな太子堂の内部がよくわかる模型が展示されています。


内部には、仏涅槃図や、「銅造聖観音立像」など、貴重な文化財が数多く残されています。

ちなみに銅造聖観音立像は金で覆われており、盗んだ泥棒が溶かそうとして、火にかけたところ「アイタタ」という声がしたため、返しにきたという言い伝えがあります。


鶴林寺では、土日にボランティアガイドをお願いすることも可能とのこと。

詳しく知りたい方には、とてもおすすめです。

【鶴林寺】

住所:〒675-0031 兵庫県加古川市加古川町北在家424

電話:079-454-7053

営業時間:開 午前9:00~午後4:30

     閉 午後5:00

定休日:年中無休

入山料:大人500円、小中学生200円

    宝物館入館料 大人500円、小中学生200円

    入山・宝物館セット割引料金 大人800円、市民割引、ファミリー割引、

    団体割引ほか各種特典あり

 

歴史に触れた後は高松清太夫老舗で味噌作り体験をおこないます。


 

伝統の醸造食品 高松清太夫味噌

慶長18年(1613年)に創業を開始した高松清太夫老舗は、姫路藩主池田輝政から糀製造業の製造取締役を命ずるとの賞状を頂いたという歴史を持っています。


 

戦国時代から約400年経つ現在も保存料や添加物を使わず、手作りならではのおいしさを届けるべく、味噌や糀、甘酒を製造しています。

材料は米糀、塩、大豆のみで、全て兵庫県内のものを使用。

自然な甘みがあり、いろんな料理に使いたくなる味わいの味噌は、地元の人のみならずファンが多く、中には材料を持ってきて、自分だけのオリジナルの味噌を作って欲しいという依頼もあるんだとか。


作り方を1から教えていただきながら、大豆を専用の機械でつぶしていき、米麹と塩を混ぜていきます。

 

素材の良い香りがふんわり漂ってきて、期待感が膨らみます。

 

このレトロな器がとてもいい雰囲気。

今回は2キロのお味噌を作りました。

完成したお味噌は、持って帰って自宅で寝かせていきます。

同じ材料で作っても、保存する環境によって全く違う味の味噌になるそうなので、

今回作った味噌がどんな味になるのか、とても楽しみです。

【高松清太夫老舗】

住所:〒675-0031 兵庫県加古川市加古川町北在家317

電話:079-421-2200

営業時間:10:00〜17:00

定休日:日曜日

岡田本家

明治7年(1874年)に創業を開始した岡田本家。





一時は大手酒メーカーの下請けとして酒造りをしていたそうですが、加古川にあった他の酒蔵がなくなり、岡田本家が加古川で唯一残る酒蔵になったことがきっかけで、現在の代表である岡田さんが家業を引き継ぎました。

 

「おいしいお酒を造りたい」

杜氏と二人で作り出される、兵庫県産の酒米を使用し、加古川の伏流水を使用した「純米酒 盛典」は、キレのあるスッキリとした味わいで人気を博しています。

また、現在は酒米の一部を自社で栽培したり、地域の学生とコラボするなど、地域に根ざした酒造りを大切にしているのも魅力の一つ。

今回は酒蔵見学をさせていただきます。

 

一歩足を踏み入れると、ふんわりと日本酒の香りがしてきました。

酒米を洗うところや、さまざまな機械が並んでいます。

 

こちらはタンクの中。

プツプツプツと、発酵が進むかわいらしい音が聞こえてきます。

 

酒造りの行程を丁寧に教えていただいた後は店舗へ。

さまざまなお酒や、昔酒造りに使っていた道具なども展示されています。



それではこれから、「盛典」の試飲タイム。


 

先ほどの酒蔵見学を思い出しながら、ゆっくり味わいます。

果物のような甘みがあり、すっきりとした味わい。

ちなみに氷を入れて飲むのもおすすめなんだそう。

 【岡田本家】

住所:兵庫県加古川市野口町良野1021

電話:079-426-7288

営業時間:平日10時~18時 土・日・祝10時~17時

定休日:月曜日

5~10月は第2、第4日曜日もお休み

 

加古川グルメを味わうならここ!

味季料理 りんどう・かき庄

味季料理 りんどうは、加古川に根差し、地元産の食材を使った日本料理が楽しめる創業40年以上の歴史をもつ老舗日本料理店です。季節を感じる会席や加古川のご当地グルメ「かつめし」など、加古川の食を存分に味わえる料理が魅力です。今回お伺いした「岡田本家」さんのお酒も楽しめます。

 

【味季料理 りんどう】

住所:〒675-0017 兵庫県加古川市野口町良野1021

電話:079-424-8100 

営業時間:11:30~14:00(LO 13:30)/17:00~21:00(LO 20:00)

定休日:毎週水曜日・第2火曜日

 

かき庄

牡蠣や加古川産の野菜をたっぷり使用した料理が楽しめる「かき庄」。加古川のご当地グルメ「加古川ギュッとめし」の釜めしや、先ほどご紹介した高松清太夫味噌を使った料理など、郷土の風味を味わえます。もちろん名物の牡蠣料理もその時期によって一番良いもの仕入れて提供されています。


 

【かき庄】

住所:〒675-0065兵庫県加古川市加古川町篠原町77

電話:079-422-2178 

営業時間:AM11:00~PM2:00/PM5:00~PM10:00

定休日:月曜日